思いつくままに、その5

幼虫の容姿が示す体形について。


多くの幼虫を飼育しその容姿を観察していると、幼虫の特徴が羽化個体に及ぼすと思われる点が見えてきます。ではいったいどの部分かと言いますと、ずばり容姿がずんぐりしている幼虫は幅が出やすく、細長く感じる幼虫は体長がでやすいと言える点です。

全てがそうだとは言い切れませんが、これまでの飼育結果から相対的に見てこの傾向は強いと思います。例えばずんぐりしている幼虫で尻が特にデカイタイプが羽化すると、全体的に体幅があり見た目は重厚な個体となりやすい。細長く感じる幼虫で寸胴に見えるタイプの幼虫が羽化すると、スマートな個体となりやすいと言った事です。

この幼虫の持つ傾向が実は少々厄介なことになります。と言うのも、ずんぐり尻デカタイプは幼虫の体重はあるのですが体長の伸びはさほどてはないのです。端的に言うと幅に取られてしまい体長を狙う場合は不向きかと思われる点です。とは言いつつも、ボリューム感があるその姿は威風堂々といった趣を持ちグランディスらしいとても良い形をしています。私は容姿はこちらのタイプが好きなのですが、体長を狙った場合は明らかに不向きです。

かたや細長寸胴タイプはそれなりの体長はあるものの貧弱に見えます。特にこのタイプはアゴの形状が今一歩なことと、アゴ全体も細いイメージで特に中央突起から上が細い個体が多く出ます。幼虫の体重は軽めに推移しても羽化体長はそれなりにあることから、たいして期待していなくても取り出した時に思わぬ大きさな時もあります。

まあどちらのタイプも痛し痒しといったところなのですが、やはり両方のタイプを足して2で割ったような中庸がベストであることは確かかと思っています。これらの血が持つ特徴を把握して次期飼育の種親選定に生かすことも必要な要点かと思っています。


最新、大型個体作出飼育のヒント。

思いつくままにという事で、とっておきの最新情報?です。ただし、まだはっきりとは言えませんのでご承知おきください。

私のこれまでの飼育結果から言うと、低温による温度調節により引っ張る方法には?が灯り出しています。飼育当初は低目に設定することにより長く幼虫期間を維持させる方法、いわゆる「国産オオ」方式の積算温度理論が通用すると思えたのです。

ですがどうもそうではないらしい。極論から言うと、最適な温度で飼育することが最良かと思えるこの頃です。私の所では平均8.5ヶ月で蛹化し、殆どが1年以内に羽化しています。一般的な羽化パターンでは、冬季で22℃ほどを持続させ、夏季でも27℃前後を最高に飼育すると良い結果が得られています。

短期間に急激に大きく育つのがグランディスの特徴ですから、この傾向を利用しピンポイント的に3齢初期から最も成長しやすい最適温度にしてやることがベストかと現在は思っています。極端な高温、低温はダメ。成長が最も活発となる適温で飼育し、後は血統しだいと言ったところです。

平均8.5ヶ月での蛹化。大きくなる個体はそれ以下の期間でも大きくなります。04期飼育の個体群を眺めていて感じる訳です。最も、これまで何年かに渡りデータを取ってきたからこそ言えることなのですが、幼虫の容姿も含めそんなことを感じています。
 
05.1.21現在