北海道南部の樹液に集まる昆虫

アカマダラハナムグリ

2016年7月に撮影したアカマダラハナムグリ(アカマダラコガネ)です。

上がミズナラの樹液に来ていた個体を撮影したもの、下が採集後に撮影した容姿となります。
北海道南部では非常に稀な種類で2016年の個体で3例目です。

実はこのアカマダラハナムグリを北海道南部で最初に採集したのは筆者で、2004年発刊の月刊むし398に短報が掲載されています。当時は短報の掲載のためむし社さんや他の方々にはお世話になりました。

BE-KUWA 48のグランディスの飼育記事の依頼を受けた時も、むし社さんにアカマダラハナムグリの時の借りがありましたのでの引き受けた経緯があります。

本来、飼育記事というものは飼育ギネス(現レコード)保持者が書くことがベストであると思っていましたので、あの当時の借りがなければ引き受けはしませんでした。

当時は飼育ギネス(現レコード)保持者でなかった筆者が書いた「グランディス超大型個体を目指して」と題した飼育記事の内容も、菌種変更リレー飼育と言った飼育方法のことなどを書きましたので反感を受けることも承知で引き受けました。

その後はご承知の通りですが95.0mmの超大型個体を、飼育記事に書いた菌種変更リレー飼育により誕生させていましたので、この飼育方法が名実共に2015年 BE-KUWA 飼育ギネス(現レコード)個体の飼育方法となりました。

話しは横道にそれましたが、このアカマダラハナムグリは筆者にとってその希少性もさることながら色々な意味でえにしを感じる存在となっています。

毎年シーズンになると探し求めていた幻の甲虫との出会いは、13年が経過していることもあり2016年の夏は感慨深いものがありました。また、狙って採集できる種類ではありませんので、採集運なるものが働いている様に感じられた年でもありました。

筆者にとっては、グランディスの飼育と毎年行っている北海道南部における観察・採集は甲乙付けがたいものとなっていますが、アカマダラハナムグリにはいつの日かまた出会うことが出来ればと思っています。


アオカナブン

2020年8月に採集したアオカナブンです。

アオカナブンと言っても実際にはミドリカナブンと呼んだ方が正しい色彩感覚なのですが、信号機の青がミドリのように、昆虫にもこの手の個体名が存在します。

アオカナブンには毎年出会え、ここまで赤くはない個体をよく見かけます。 ですが「アカカナブン」と呼べるほど体色が赤い個体は非常に珍しく殆ど見かけません。

アオカナブンの採集は行なわないのですが、この個体だけは採集しました。それだけ筆者にとっては珍しい個体なのです。

北海道に生息するカナブンの仲間はこのアオカナブンだけですが、中には今回の様に稀な色の個体が存在します。

ミヤマクワガタやノコギリクワガタもそうですが、体色の変化には面白いものがあります。

こちらに生息する北海道南部産のミヤマクワガタは体色が3色に分かれますので、体色にも注意し個体の確認をするのも面白いと思います。

それにしてもこのアオカナブンの赤は美しく見ていて飽きません。