北海道南部の昆虫 オオカマキリ他

オオカマキリ
オオカマキリ♀(褐色個体)の擬態
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緑色個体の♀
褐色個体の♂
2007年9月16日 撮影

オオカマキリ♀幼体(褐色個体)の擬態
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2002年8月3日 撮影

オオカマキリ幼体(褐色個体)
2002年6月16日 撮影



2002年6月と8月、2007年9月に撮影したオオカマキリです。

18年前の古い画像も含みますが筆者がフィールド内で観察・採集している昆虫の一種です。

2002年6月16日に撮影した幼体初期の画像は、褐色個体がヨモギの葉の上に居たところを撮影したものですが、この時期の個体を探し撮影するには忍耐を要します。

幼体初期のオオカマキリを見つけ出すことは北海道南部ではかなり難しいことで、この時は何となくですがこの辺に居るのではと、勘の様なものが働き撮影することができました。

北海道南部には古くからオオカマキリが生息しています。筆者が小学生の頃から普通に見られましたので、相当古くから根付いていたことになりますが、当時の多くの昆虫図鑑では北海道には生息していないことになっていました。(現在は生息域として北海道も含まれます)

オオカマキリは成虫になるまで脱皮を繰り返しますが、自然界での脱皮回数は良く判っていません。人工的に飼育された個体とは条件が違いますので、その個体の栄養状態も左右することから良く分からないのが実状かと思います。

北海道産のオオカマキリは一見するとオオカマキリとは思えないほど小型です。チョウセンカマキリと勘違いしやすいのですが、卵胞の形からオオカマキリだと判ります。

近年、北海道の各地で発見されていますので、案外身近な所に潜んでいるかも知れません。出会うのは簡単ではありませんが、道南在住で興味がある方は探してみてはいかがでしょうか。



ヤブキリ
ヤブキリ♀成虫
ヤブキリ♂成虫
2002年8月17日 撮影

ヤブキリ幼体の擬態
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2002年6月16日 撮影



2002年6月と8月に撮影したヤブキリです。

2002年6月16日の画像はオオカマキリの幼体を探している時に出会った幼体初期の個体です。

葉と同色ですから探してもなかなか見つかりませんが、北海道南部のある地域では個体数も多いことからオオカマキリよりは見つけやすい種類です。

オオカマキリと同様に北海道南部のある地域では古くから生息しています。本種も当時の多くの昆虫図鑑は北海道には生息していないことになっていました。(現在は生息域として北海道の一部が含まれます)

北海道ではハネナガキリギリスが広く分布し、大型の直翅目としてはハネナガキリギリスの方が一般的で、ヤブキリは局地的に分布しているようです。

ヤブキリは雑食性ですが毛虫を捕食しているところや、ツユムシの仲間を捕食しているところを目撃したことが何度かあります。

また、ヤブキリの夜の狩りを目撃したことがあります。夜の林に蝉のけたたましい声がしたものですからそこをライトで照らすと、ヤブキリがミンミンゼミを樹上で押さえ込み捕食しだしました。

北海道南部でオオカマキリが蝉を捕食しているところを一度も目撃したことがありませんが、ヤブキリが蝉を捕食しているシーンは何度か目撃しています。

その様なことから、筆者はヤブキリをハンターであると認識しています。

オオカマキリも同様ですが、捕まえる時は噛まれない様にしてください。噛まれると結構痛いです。

2020年9月