当店はグランディスオオクワガタを中心に扱っているWeb Shopです。世界最大のオオクワガタの特性に合わせ、それに見合う産卵材、菌糸ビン、菌床ブロック、添加剤等をご用意しています。
当店の超大型個体は全てこの飼育方法から羽化しています。
飼育方法のご参考までに、一例として御覧ください。
飼育相談Q&A
Qは、お客様からよく寄せられるお問い合わせやご質問などをまとめたものです。
Aは、重複部分もありますが、当店からの回答と返信内容をまとめたものです。
ペアリングと産卵について
Q:春にグランディスのペアを手に入れ9月頃ハンドペアリングを試みましたが交尾してくれませんでした。しかたなくオスとメスを同居させること2週間、交尾の確認はしていませんが、とりあえず産卵セットしてみました。1週間ほどしてからそっと覗いてみると、産卵木に坑道を掘っていました。産卵以外にこのような行動をとる事はかんがえられますか?
A:成熟済みの個体と既定してお答えします。ペアリングについては、オスとメスを2週間同居させた場合、ほぼ交尾済みと思って間違いないと思います。
産卵についてですが、坑道を掘っていた場合の産卵の可能性は高いと思います。 産卵しているかどうかは坑道に産卵痕が発見出来れば可能です。産卵の有無につきましては、産卵痕を一つ試し掘りすると判断できます。
この時、擬似産卵痕(卵が入っていない産卵痕)が多発する場合は再度ペアリングを行ってください。また、卵はあるのに腐っている場合や、孵化しない場合も同様です。メスにはタンパク源の多い餌を与えてください。
Q:グランディスのブリードは難しいと聞いておりますが、ペアリングの時期をいつにするか迷っています。今回購入したペアのペアリンクが可能となる時期を教えてください。
A:今回お買い上げいただいた♀は45mmとなりますが、45mmの個体であれば生後4〜5ヶ月目からペアリングが可能となります。ただし、これは♀の場合で、♂は成熟まで6〜7ヶ月以上は必要かと思います。
♂が未成熟な場合、あるいは♀が未成熟な場合、同居させると♀殺しが起こることがありますので注意が必要かと思います。また、このような場合、交尾をしても無精卵となり孵化しません。
飼育温度を25℃程にキープし、餌を頻繁に喰っているようですと、12月下旬羽化の♀であれば5月頃からペアリングは可能かと思いますが、♂の成熟を考慮すると7月頃からが良いと思います。ただし、個々による個体差もあり一概には言えないのも事実です。
7月頃、個体の状態を見ながら一週間程度同居させるか、数度ハンドペアリングを行うかし、その後は別の飼育ケースに移し3週間ほど経ってから産卵セットへ移すと良いと思います。
ブリードは秋以降と書いたことについては、間違いなくブリードできる期間が経過している点と、真夏は飼育場所にもよりますが30℃以上だとペアリング、産卵共に不向きとなるからです。
あまりに室内が暑いと死亡する場合もありますが、絶えられる暑さの場合、大方は夏眠状態となり産卵行動をとりません。室温をエアコンで調節できるのであれば別ですが。一般的には春と秋がグランディスのブリードシーズンとなるかと思います。
Q:ラオス産とインド産についてお尋ねします。6月からの産卵は可能でしようか?冬は暖房なしで室内越冬させ常温管理、活動開始し始めたのは4月下旬頃です。ペアリングは5月中旬から始めました。カワラ材を使用した産卵セットヘ移しても材を齧るけはいがありません。室温が23〜25℃では、時期的にもう無理なのでしょうか?
A:個体の羽化日が判りませんが、一冬越した個体でオスが生後7ヶ月程経過しているものとしてお話します。まず、産卵時期に関してですが、メスは5〜6月頃から晩秋まで産み続けます。室内越冬させた個体であれば、一般的な活動開始しは桜の咲く頃からですので、4月下旬は極普通であると思います。
ペアリングに関しても5月中旬頃からで問題ありませんが、ペアリングの方法がハンドペアリングか同居ペアリングかで少々違ってきます。ハンドペアリングの場合、ある程度の回数は行った方が良いと思いますし、同居も室温が低いと交尾していない場合も考えられます。同居ペアリングの場合、一度交尾したかを確認してから数日間同居させ、ペアリング後はメスのみの単独飼育を行い、タンパク源の多い餌を3週間ほど与えます。
この期間の飼育温度は25℃程度が理想です。この時、メスが頻繁に餌を食べていない状態だと、3週間後に産卵セットへ移しても産卵行動は取り難いです。理想的にはメスがマットの上に出て来てうろうろするようになることです。こうなると、ほぼ産卵は間違いないと思います。
産卵材のカワラ材に関してですが、皮を剥いて皮と材の間にあるボソボソした部分(靭皮)を出来れば取り除くと良い傾向にありますが、カワラ材といえども堅い材には産卵しにくい傾向にあります。どちらかと言うと柔らか目の材を好みますが、柔らかすぎる材は良くありません。産卵に適した程よい堅さがあります。
室温に関しですが、今現在日中で27℃程度まで上昇しています。ほぼ全ての産卵セットで産卵行動をとっていますが2〜3の例外も存在します。室温23〜25℃ですと23℃は少々低い様に感じますので、25℃以上を維持できる様にしてみてください。23℃では寝ている場合も多々あります。
その2〜3の例外に関してですが、4月の下旬にペアリングさせたインド産のメスで、生後1年以上経過した個体が今現在産卵行動をとっていません。日中は27℃程度まで上昇し、夜間も25℃程度の状況下でも寝ています。実際にこのようなメスも存在し、過去にはペアリング後半年経ってから産卵を始めた累代個体も居ます。天然個体であれば更にこの傾向は強まると思います。
後は産卵セットの大きさやマットの状態なども関係してきます。乾燥気味にすると良い結果には結び付き難いです。また、産卵セット用のケースもある程度の大きさが必要です。
1ヶ月ほど産卵セットに入れっぱなしのメスがようやく産卵材を齧りはじめました。その個体個体で個体差もありますので、ある程度の温度や湿度等が産卵スイッチとなっている場合もあるように感じられます。
初めに記しましたように、グランディスはDGG、DGM共に今頃の時期から晩秋まで産み続けますので、以上の点を踏まえて様子を見て、それでも産卵しない場合は再度ペアリングさせ同じ手順を踏んでみてください。
産卵時期に関する追記
当店では温度管理を行い、春夏秋冬、季節に関係なく産卵させていますが、一般的には春と秋が産卵時期となりますので目安にされた方が良いと思います。
以下に「ひとり言」より抜粋した"超大型個体幼虫の割り出し時期"を掲載します。
◎超大型個体幼虫の割り出し時期について
一昔前までは春採りが良いと言われていた本種ですが、実際に当店が飼育した個体に当てはめるとどうなるのか、93mm以上の個体について最大体長順に記したいと思います。
産 地 体長(mm) 割り出し日 割り出し時 インド 95.0 3月26日 初齢 ミャンマー 94.0 10月19日 初齢 インド 93.2 11月15日 2齢 インド 93.0 6月12日 初齢
以上となりますが、産卵木は1ヶ月ほど保管していますので♀を産卵セットへ投入したおよその時期は察しが付くと思います。
特筆すべき点としては、インド産の95.0mmはどちらかと言えば冬、ミャンマー産の94.0mmは夏季に産卵させている点で、上位2頭が春季でも秋季でも無いのです。
目からウロコ的な結果であると思えますが、結論から言うと温度管理さえ可能であれば春夏秋冬、季節を問わず、産卵させる時期は関係ないと考察されます。
追記
2023年現在、インド産95.6mmの割り出し日は7月中旬となっています。
菌床飼育等について
Q:幼虫の菌糸瓶の3本目を御社の物に変更しようと考えています。同じ種類の菌糸瓶でないと駄目でしょうか?今使っている菌糸ビンはクヌギのオオヒラタケ系です。
A:結論から先に申し上げますが、たぶん大丈夫かと思います。
私が以前に他店様の○○○ビンを使用していた頃、途中から現在販売している添加剤を配合したブナ菌床に変更したことがありましたが、特段問題はなかったです。
添加剤に関しましては他店様の菌床に何が含まれているのか判りませんので、成長に及ぼす影響につきましては正直判断しかねる状態なのですが、以前の結果からは菌床の銘柄をクヌギからブナへ変更した場合と、変更しなかった場合との差は見られませんでした。
ただし逆の場合、ブナからクヌギへの変更はあまり良くは無かった感じがしています。ブナはタンニンを殆ど含みませんが、クヌギには含まれていますので、それが影響しているのではと想定しています。
当店で扱っている菌床の菌種はオオヒラタケ系とヒラタケ系です。飼育に関し、ヒラタケ系からオオヒラタケ系へ、オオヒラタケ系からヒラタケ系への菌種変更は問題ないと思います。実際に当店の菌床でヒラタケ系からオオヒラタケ系へ、オオヒラタケ系からヒラタケ系へと菌種を変更し飼育していますが、成長に関しては問題はありません。
当店の菌床をお使いいただいているお客様の中で、他店様のヒラタケ系やオオヒラタケ系のクヌギ等の菌床から、当店の菌床ヘ3齢時にチェンジされている方がいらっしゃいますが、特にこれと言った変化も無く羽化しています。
幼虫が持つ菌の適合性で言いますと、カワラタケの菌床からヒラタケ、オオヒラタケ系へ、またその逆も適合は難しくお奨めできません。きのこの科が違う物は適合しにくい傾向にありますので、使用時には注意が必要かと思います。
現在使用されている菌床が、ヒラタケ又はオオヒラタケ系の菌床であれば特段の問題は生じ無いと考えます。
特記
オオヒラタケ系からヒラタケ系への菌種変更リレー飼育により、2015年 BE-KUWA飼育ギネスを獲得しています。
追記
2019年現在、当店では現在飼育されている菌糸の銘柄を引き続き使用されることをお奨めしています。
当店の菌床、菌糸ビンを当店の血統以外で途中から使用される飼育者の方は、これまで累代したが結果が芳しくない、あるいは更に上を目指したい、と言った理由から変更される方が殆どです。
その様な飼育者の方へは、菌種を途中から変更することに抵抗感が無い方へはGrand-Master 菌床や菌糸ビンを、抵抗感をお持ちの方へは Grand-Grow 菌糸ビンをお奨めしています。
Q:産卵材がカワラタケで飼育菌床がオオヒラタケやヒラタケでは、菌種が違うので同じ菌種のカワラタケでそのまま飼育したほうが良いのではないのでしょうか?。
A:カワラタケはタコウキン科で、オオヒラタケやヒラタケはヒラタケ科ですから、菌種がまったく違っていることは確かです。
では、カワラ材以外の産卵材、例えば一般的なホダ木と呼ばれている材を使用した場合はどうでしようか。深く考えていない方も多いと思いますが、殆どのホダ木はシイタケ菌で腐朽したものとなります。
ご質問のような考え方で行けば、ホダ木から採れた幼虫はシイタケ菌床で育てた方が良いのではないか、と言った話になります。
ところが、世の中を見渡してもシイタケ菌床のクワガタ飼育用菌糸ビンはありません。シイタケはヒラタケ科に属しますので有っても良いとは思うのですが、菌の特性が飼育に合わない事が主因となっています。
過去、実験的に各種の菌種がクワガタ飼育に用いられ、使い勝手が良く結果が良いものだけが今に残っている、これが実状となっていましたが良くないものが淘汰されることは世の常です。
さて、それではカワラタケでそのまま飼育した場合はどうかですが、当然ですが当店でも過去に疑問を感じ実際にカワラタケ菌床で飼育を行った事があります。
その結果は、オオヒラタケやヒラタケよりも劣ったものとなっています。まず腐朽が早いことが欠点であるように感じます。
また、そのことによる蛹化時の暴れが出やすい傾向が見受けられます。更に、成長が悪い個体が多かったこともデータとして残っています。
このような結果より、過去にはカワラタケの菌床を取り扱っていたこともありましたが、現在では取り扱っておりません。
もし仮にカワラタケ菌床により良い結果が出ているのであれば、菌糸ビン飼育がカワラタケになっているはずなのですが、90mmを超えた個体が飼育できたと言った話はこれまで見聞きしておりません。
1齢〜2齢までカワラタケの菌で育ち、その後はオオヒラタケやヒラタケで育てることは、シイタケ菌のホダ木で育った幼虫を、その後はオオヒラタケやヒラタケで育てることと、何ら変らないものと考えています。
Q:ビンの交換はだいたい何ヶ月ペースで行っていますか、また、幼虫の飼育温度は何度位でしょうか。
A:ビンの容量、オガの粗さ、幼虫の性別、成長段階、各個体の食欲にもよりますが、初齢投入の場合、PP1100ccでおおよそ3〜4ヶ月です。
幼虫飼育の概の温度帯は、初齢〜3齢初期までは24℃ほど、ビン交換後は若干温度を下げています。基本的に初齢〜3齢初期までは管理温度が低すぎると、成長が悪くなる傾向にあります。
尚、当店での温度管理に関しましては冬季間のみ20℃程で管理し、夏涼しい北海道と言うこともあり夏季の温度管理は行っておりません。
注)2013年よりエアコン等を導入し恒温飼育としています。幼虫の暴れについて
Q:菌糸瓶の3齢幼虫2頭に暴れが見られますが、上手く抑える方法はありませんか。また、これは蛹化の前兆なのでしょうか。
A:暴れの原因については幾つか想定されると思うのですが、3齢時の特に後期の幼虫の暴れについては、殆どが蛹化前に行う蛹室作りの為。その準備作業かと考えられます。
菌床がまだ新しく劣化が殆ど無い場合は、蛹室が作りやすい良い場所を求めてのことだろうと考えます。(例外的に突然移動しだす個体も居ますが)この時期の暴れは結構有ることで、スムーズに何事も無く蛹化する個体の方が全体的に見ても少ないくらいです。また、この現象は比較的低温下でもおこります。
幼虫がほぼ同じ時期に暴れた原因として考えられることは、孵化している時期がこの2頭は近くありませんか?
私の飼育環境下での事ですが、孵化日が近い個体達が、不思議と同じ日に立て続けに暴れ出したことを何度か目にしています。孵化日がある程度離れていても起こることもあります。私の知人は、地球と月の引力の関係だと勝手に仮説を立てていましたが、こればかりは判りません。
もう一つは、やはり空気も関係ありかと思います。ビンのフタはどのようにされていますか?
暴れが一度起きると、幼虫の行動と菌床の再発菌により酸素の不足連鎖が起こると考えられます。これも一つの要因かも知れません。
暴れが見え出したら、フタのフィルター紙を取りネットをかぶせておいてみてください。それでも落ち着かない場合は、フタそのものを取り外しネットをかぶせておく方法が一番です。
この時期の幼虫はシビアですが、この方法を行うとある程度落ち着きやすい結果が得られています。また、菌床の発菌時にはビン内の温度が若干上がりますので、少し低めのところにビンを移動することも必要かと思います。
大方の暴れは、羽化し野外に脱出する時に都合の良い場所を求めてのことでしょうから、ビンのフタをそのまま閉めておくと、フタの表面まで上ってくることがあります。そのようなことを防ぐためにも、ここからが外だと言うことを幼虫たちに教えてやらなければなりません。
もう一つは湿度の問題。菌床の上部が乾燥し、下部の湿度が比較的保たれている場合、程よい環境を探し選び蛹室を形成する事があります。その個体にもよりますが、蛹化時には菌床の表面が若干乾燥気味の方が、良い位置に蛹室を形成する場合が多くあります。
その他ご参考(過去のHPより) その1参照。
余談ですが、ビンを逆さにすることは二次発菌時に、二酸化炭素を抜くためには必要かと思いますが、暴れた場合も菌が一時的に活性化しますので多少の効果はあると思われます。また、劣化してきたビンにもガス抜きのためには良いと思いますが、逆さのままだと後々厄介になりやすいので、私は極力避けるようにしています。菌糸ビンの詰め方について
Q:御社の菌床ブロックを購入し菌糸ビンを作ってみたいと思っています。オオクワガタを飼育されている方のブログで見かけたのですが、硬く詰められているかどうかを菌糸ビンの重さから判断されていました。菌糸ビンの重さから判断できるものでしょうか。
A:菌糸ビンは菌床ブロックを崩し、崩したオガをビンへ入れ、詰めてから培養し出来上がります。詰め方の度合いの指標に質量(重さ)を目安とされる場合、まずオガの形状の違い(小さいか大きいか)とオガの比重の違いで質量(重さ)は変化します。
当店の菌床ブロックに例えますと、Grand-Master の場合はオガの粒径より標準と中粒とにタイプが分かれます。(追記:現在は標準と中粒をミックスしたタイプとなっています)
この標準タイプと中粒タイプを同じ容量のビンに、詰め方の度合いを極力同一とし詰めた場合は中粒タイプの方が重くなります。
これはオガの比重が違う為に起こりますが、ビンの容量が同一である場合は比重と空隙率が違うことにより質量(重さ)が変ってきます。標準タイプのオガは空隙が狭く、中粒タイプのオガは空隙が広いのですが、オガの比重の違いによりこの様な事が起こります。
このほかにもオガに含まれる水分量、含水率によっても変わります。各メーカーさんにより菌床の仕込み時の水分量が違いますのでこれも要因の一つです。(もし仮に水分計を手に入れることができれば、もう少し目安の程度は向上するとは思われます)
ちなみに、この方法で詰め方の度合いを判断するのであれば、市販の菌糸ビンの場合は重いほう(含水率が高いほう)が詰め方の度合いが良い、と言った結果にもなりかねません。
もう少し専門的な事を付け加えますと、オガの元材の貯木方法と期間、及び伐採された地域と時期、菌床ブロックの製造された季節と鮮度、樹種による材の比重等も微妙に違いますので、これらの複合要因によっても菌床ブロックの質量(重さ)は変化します。
以上のことから、詰め方の度合いを菌糸ビンの質量(重さ)で判断することは、参考値程度のものであると当店では思っています。尚、詰め方について厳密に言えば”何N/uで加圧”と言った計測による数値が正規のものとなります。
その数値から詰められているオガの状態(硬軟)が判断できますが、N/u値が測定でき、菌糸ビンの製造に使用可能な安価なハンドプレス機は、当店が知りうる限りでは存在しません。(応用できそうな高額なハンドプレス機はありますが、菌糸ビン1本あたりに反映される原価償却費がかなり高くなるため、とても販売できる価格とはなりません)
ここからは当店の余談となりますが、がちがちに硬く詰めたビンは、日持ちは良いが喰いが悪いため大きくなりません。逆に詰めが甘いビンは日持ちが悪い為、ビンの交換回数が増加します。その為、ビン交換ごとに幼虫が縮み大きくなりません。
羽化までに必要なビンと容量、交換のローテーションを大まかに組んで飼育を行いますが、各ビンの容量と各幼虫の食欲も飼育条件となります。したがいまして、上記の様なビンでは大型個体を羽化させることは至難となります。
クワガタの幼虫(根喰い系以外)の材割採集を行った事がある方ならば良く判るのではと思いますが、幼虫は硬い部分や極端に柔らかい部分には殆ど居らず、不朽状態が良く、程よい硬さの部分に多く居ます。また、このような程よい硬さの状態が良い材からは、大きな幼虫が得られやすいことも多いです。
材割採集をすると、極端に硬い、極端に柔らかい、と言った部分は、幼虫の生息には適していないことが判ると思います。
材と菌床のオガでは組成そのものが違いますので一概には言えませんが、ご質問を受けたお客様へは、良く不朽した天然材の硬さと似たような硬さになるように、ビンの詰め方、加圧を工夫し製造していることをお伝えしています。
また当店では、販売している菌糸ビンの詰め方や使用感を実感してもらうために、一度菌糸ビンを購入していただくことをお奨めしています。菌糸ビンを購入することで質量(重さ)や菌糸ビンの蓋(空気穴とフィルター)が判りますので、今後ご自身で詰める際の目安になると判断しています。
成虫の寿命について
Q:成虫は何年くらい生きますか。
A:飼育環境や状態(交尾、産卵の有無)、個体差等がありますので一概に言えないところもありますが、羽化より3年ほどの寿命が一般的です。
交尾を多く行った♂、産卵を多くさせた♀は、未交尾、未産卵の個体よりも短命となります。