世界で一番大きいオオクワガタ
インドグランディス Garda(ガルダ)96.5の魅力
オオクワガタの仲間で唯一90mmを超える世界最大のオオクワガタ、それがグランディスオオクワガタ(moriyai )です。オオクワガタ亜属の最大種にして天然個体の最大体長が92.0mm(BE-KUWA72号参照)にもなる、グランディスオオクワガタの魅力はまさにその大きさにあります。
世界一大きなオオクワガタであるグランディスですが、飼育下では独特の癖(特に蛹化前の暴れ)を持つため天然個体の記録すら超すことは容易ではありません。それ故に、95mm以上の「完品」個体を飼育により作り出す難易度は相当高いものがあります。
10年以上の歳月と今現在も更なる向上を目指し構築を続けている血統、そしてその間に培われた飼育技術(種親の血の掛け合わせ、産卵材の選定、幼虫の割り出し時期、最初の菌糸カップの容量、各ステージにおける菌糸ビンの容量と添加剤+その種類と量、菌糸ビン交換のタイミング、飼育温度と湿度、暴れの防止策、音波などetc)、レコード個体を誕生させる飼育はこれらバックボーンの上に成り立ちます。
今回、新たな記録の樹立&記録の更新を果たした個体はインド・マニプール・ラムカ産で2023年7月下旬に羽化しています。2015年の飼育ギネス(現レコード)95.0mmを1.5mm更新し、96.5mmとしてビークワ(BE-KUWA)93号にて飼育レコードに認定されました。
※96.5mm(Garda96.5)を誕生させたレコードラインは♂♀合わせて16頭の幼虫が得られ、♂が10頭、♀が6頭と小数でしたが、96.5mmも含めた♂のアベレージ羽化体長は驚愕の90.3mm、正にモンスタークラスの超大型血統です。
飼育温度は一年を通しての平均値は23℃ほどで、菌糸はGrand-Grow菌糸カップ(オオヒラタケ)を1本目に使用し、2本目以降はGrand-Master(特殊ヒラタケ)を使用する菌種変更リレー飼育によるものです。
当店が持つ記録を9年越しに更新できましたが、その間には98mmほど(2020.標本数値)の羽化不全個体が出現していました。後は飼育運次第と思っていたところ、何とか無事に誕生してくれましたので感慨もひとしおです。
史上初の96.5mmは文句の付けようが無い埒外なモンスターであるとともに、世界最大のオオクワガタに相応しい巨大さです。
新レコードGarda96.5の魅力、それを一言で表現するなら格につきます。「1.5mm違うとこうも違うのか」と思えるほどの超弩級フォルムはこれまでの全てを超越し、95mmクラスとの比較ではGarda96.5が持つ圧倒的な格の違いに驚かされます。
世界で一番大きいオオクワガタであるグランディス、威風堂々とした雰囲気を醸し出すその姿は別格であり、Garda血統が持つ優れた血の具現化であると捉えています。
ちなみに、今期(2024年)も羽化不全の97mmクラスが出現していましたので、本血統が持つ血の奥行、底はまだ深く覗けてはいない、といった感覚をポテンシャルの高さと共に抱きますが、このこともGarda血統が持つ魅力の一つと言えます。
近い将来、オオクワガタの仲間として100mmを競いあうであろう国産オオクワガタやアンタエウス、それはお伽話の世界では無く現実に起こりうる事、そんなことを想像すると楽しくなってきます。
本血統の生みの親として、また飼育者の一人として、まだまだ夢の途中ですが、インドグランディス
Garda血統と共に更なる高みを目指し、浪漫を追い続けて行ければと思っています。
◎余談と情報
2023年の秋にむし社さんへエントリーしてからの1年はとても長く感じられましたが、信頼できる第三者による測定結果が重要であると考えていましたので、結果的にこれが最良の選択であったと思います。
※体長、飼育履歴(飼育コメント等)はBE-KUWA93号に掲載されています。
巨大グランディスの飼育に興味のある方はBE-KUWA93号をご購入ください。
むし社さんによると今後は「レコードオーバーが出た」と言った表記はOKとのことですので、エントリー個体が出現した場合はむし社さんの規定に沿って当店ホームページ上で公開しようと考えています。
また、新レコードGarda96.5血統の幼虫は現在飼育中で、2025年の秋季には直仔の新成虫を販売できるのではと予測しています。
新レコード血統の同腹ペアについては得られた個体数が少なく、特に♀が少なかったため殆どは繁殖へ廻していますが、常連のお客様お一人へ2ペアのみ販売しています。
ご参考として、新レコード血統の同腹ペアをご購入いただきましたお客様のHNとURLを紹介します。
HN:Charlotte
URL:https://growmushrooms.fc2.net/blog-entry-9.html
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2024年11月 |
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